長い道のりを歩き、ようやくたどり着いた龍門渕邸。
 玄関の戸を開いた途端、二人は思わずため息をつく。

「か、帰ってこれた……」
「はは……大げさだな国広は……」

 二人で身を寄せ合っていてもお構いなしに、雨は二人の体温を奪っていた。
 一が須賀の上着を着ている分、須賀は一より寒さに耐えなければならなかった。

「おやおや二人とも、大分濡れてしまわれたようですね」

 二人の凱旋を聞きつけて、萩善が顔を出す。

「まずは着替え……いえ、それよりも湯浴みでしょうか。とりあえずは、これを」

 萩善はタオルを二人に手渡す。
 傘を差していたとはいえ、服も髪もびしょ濡れであった二人は、すぐさまタオルに水分を吸わせていく。
 見ると、靴もびしょ濡れで、しばらく乾かさないと履けそうになかった。

「風呂って、俺が借りてもいいんスか?」
「さて、一、どうです?」

 萩善が意地悪く聞いてくる。
 一が須賀と相合傘で帰ってきたことは知っているくせに。

「いいに決まってる。遠慮なんかされて風邪を引かれたらたまらないからね」
「おやおや。素直じゃありませんね」
「は、萩善っ!」
「そういうわけです、須賀様」
「は、はぁ……ありがたくいただきます」

 萩善は須賀を浴場へと案内するため、先頭に立ち歩き出す。
 それに従う須賀。
 そしてしんがりは一だ。

「(……待てよ……浴場は一つなんだから、必然的にボクと須賀が風呂に一緒に入ることになるんじゃ……)」

 雨に打たれすぎて頭が回転していなかった。
 何ということだ、一は先ほど軽い気持ちで須賀の入浴を許可してしまったが、それは混浴を意味していたのだ。
 どうするべきか。須賀を先に入らせて、自分は後から入る? いや、正直なところ一も己の体温低下が著しいことは感じている。すぐに熱い湯を浴びて、気持ちと体をリフレッシュしたいところだった。
 となれば、やはり一緒に入るしかない。

「(う、うわぁ……どうしよう、どうしよう!!)」

 一の思考回路がショート寸前だと言うのに、須賀はまったく気づいた様子がない。
 恐らく、男湯と女湯で分かれているとでも思っているに違いない。そんなものあるわけないのに。
 ややあって、脱衣所へと続く扉へと差し掛かり、浴場へあと一歩と言う所まで来てしまう。

「それでは、私は下がっております」
「え、あ、はい」

 須賀もようやく気づいたようだ。動転した様子で萩善を見るが、意に介した様子もなく萩善はさっさと脱衣所を後にしてしまう。
 一の横を通り過ぎる時、薄く笑っていたように見えたのは、一の気のせいだったのだろうか。
 ともあれ、そんなことはどうでもいい。

「須賀」
「国広……」

 お互い、困った顔で見つめ合う。
 
「お、俺、国広が上がるまで待ってるよ」

 そう言うとそそくさと須賀は脱衣所を出て行こうとする。
 しかし、それは一の手によって阻まれる。

「バカ。雨に打たれたんだ、ちゃんと暖まらないと風邪引くぞ」
「でも……」

 須賀は叱られた子供のようにうなだれる。
 頬を赤く染め、一のことをまともに見られないようで、視線は常に安定しない。
 それを見ていると、何故か一は安心した。自分が慌てている時、他人がもっと慌てていると、途端に状況を客観視できるようになるのと同じことだろう。

「お、お互い意識しないようにすれば大丈夫。ボクは須賀の方見ないし、須賀も……ね?」

 一はこれでも年上なのだ。
 須賀に対し、しっかりと年上らしいところを見せてやらなくてはという意気込みが、一に勇気を生む。

「……わ、分かった」

 ようやく須賀が頷く。
 とはいえ、相変わらず視線は宙を漂っていたが。

「よ、よ〜し! じゃ、さっさと服を……脱いで……うん、そういうことで」

 明るくいこうと思った一だったが、最後のほうは恥ずかしくて言葉にできなかった。
 年頃の女子に、これまた年頃の男子との風呂などと言うワードは、恥じらい度マックスである。
 須賀が小さく頷き、背を向けたのを確認すると、一も自分の着衣に手をかける。

「(後ろから衣擦れの音……。意識しちゃうって……)」

 水に濡れ、少し重くなった須賀の上着を脱ぐ。
 後で洗って返さなくてはとの思いと、今日半日の感謝を込めて、しっかりと折りたたむ。
 続いて、先ほど靴と一緒に脱いでおいた靴下だ。だらしなく水をたらし続けるそれは、タオルで包んで持ってきた。
 これは乱雑に放り込む。

「お、俺、先に行ってるから」

 須賀は一声かけ、カニ歩きをしながら浴場へと向かう。
 何としても一のほうを見ないという、強い意思の表れだろう。
 それにしても脱ぐのが早い。男は女と違って、あまり着ていた服に執着しないのだろうか。

「ま、そんなことどうでもいいか」

 一は急ぎ足で脱衣を再開する。
 スカートを脱ぎ、ブラを外す。
 下着の類までに水が染み込んでいたのは恐れ入った。
 色気のないスポーツブラだったが、それなりに気に入っていたのだ。水を吸って何とも無残な色合いとなってしまっているそれを見ると、一は否応なくため息をついてしまう。
 ブラとお揃いのショーツも同様の被害を受けていた。二度目のため息と共に、それらを脱衣籠に入れると、とたんに気恥ずかしくなる。
 今の一は、まごうことなき全裸で、壁一枚隔てたところには、同じ状態の須賀がいるのだ。

「(や、やめよう。考えるだけ恥ずかしくなるから……)」

 意を決し、浴場への扉を開く。
 その音に須賀はびくっと体を強張らせた。
 が、こちらを向くようなヘマはせず、黙々と髪を洗い続けている。
 さて、須賀から離れるといっても、銭湯のような広さの浴場ではないのだから、自ずと場所は限られてくる。
 すなわち、須賀の背後。そこしかない。
 深呼吸を一つして、一はその場所へ移動する。
 近づいてくる一の足音。須賀の体の強張りが増しているのが見て取れる。
 
「(シャ、シャワーを)」

 シャワーのコックを捻り、水音で恥じらいを紛らわす。
 二重となったシャワーの音を聞いていれば、少しは鼓動も収まるだろう。
 髪を洗うために、頭からお湯を被ると、先ほどまでの冷たさが一気に消えていく。
 普段、あまり意識をしないであろうこの入浴と言う作業が、まるで特別な行いのように思える程であった。しばらく無心になって髪を洗う。
 ふと、後ろの様子が気になったが、ここで振り返っては須賀の気配りを踏みにじることになる。それだけはしたくなかった。
 やがて髪を洗い終わり、肢体の洗浄へと移る。
 いつも思うのは、自分の体の幼さのことだ。
 胸も尻も小さい一の体は、まるで中学生のよう、いや、小学生と言われてもしかたがないのかもしれない。
 幼児体系だと昔から言われていた。周囲にいるスタイルのいい娘と比べられるのは、屈辱でもあり、羨ましくもあった。
 よく言われたのは、そんなんじゃ男に相手にされないよという旨のことだった。
 余計なお世話だと思っていたが、こうして背に男を携えていると、そうした発言が急に気にかかってくる。

「(バ、バカ。別にそういうんじゃないだろ。ボクと須賀の関係は……)」

 はじめはただの嫉妬というか、危機感だった。
 透華が熱を入れている男。その登場によって、自分がないがしろになってしまうのではないかという思いが、いつしか会った事もない須賀という男への憎しみになっていた。
 しかし、数日一緒にいて分かったこと。須賀はいいヤツであり、透華が好きになるのも分かるということ。
 
「く、国広。俺、先に湯船のほう行ってるから」
「え? あ、ああ」

 上の空で返事をしてしまう一。
 そうだった。湯船に入る時は、嫌でも須賀と一緒につからなくてはならないのだ。
 既に一も肢体の洗浄をほぼ完了しており、もう後は湯船につかるだけとなっている。
 
「(き、緊張するな。意識しなきゃいいんだよ、うん)」

 シャワーでひとしきり体を流した一は、ゆっくりと立ち上がり、湯船を目指す。
 いつもより湯気が多いようだ。須賀の視界を少しでも遮ってくれることを祈る。

「(こんな体じゃ見られて恥ずかし……って、そういうことじゃないだろっ!)」

 須賀は律儀に目を閉じていた。
 心遣いは嬉しいのだが、一としては少し複雑だった。
 見られると恥ずかしいが、それはイコール見るなということではないのだ。
 
「(まあ、ちょっと事故でちらっと見ちゃうのとかは、うん、しょうがないよね)」

 一は一人で頷く。
 こうして同じ湯につかっている以上、そこまでの遠慮はいらないと感じたのだ。
 恥ずかしいが、それは向こうも同じことだ。

「す、須賀。もう目を開けてもいいよ」
「お、おう」

 須賀が目を開ける。
 一は須賀の隣にいた。

「ぬおっ! って近っ!!」
「あ、暴れるな。お湯が減る」
「く、国広が近すぎるんだよ」
「しょうがないだろ。ていうか、お前ちょっとキョドりすぎ」
「だってよ……」
「そ、そりゃこっちだって恥ずかしいけど、お互い様だろ。気にするなとは言わないけど、気にしすぎて変に堅苦しくなっちゃうのも嫌だよ」

 須賀は少し考えるそぶりを見せたが、ややあって小さく頷く。

「分かった。今日の日を役得だと考えて、明日以降を生きる活力にしよう」
「バ、バカ! 変なこと言うな!」
「さ、察してくれよ! 場の空気をゆるくしようとしてるんだよ!」
「知るかっ! ボクのことをいかがわしいことに……」

 そこまで言って言いよどむ。
 考えてみれば、自分の肢体などにそんな需要はあるのだろうか。
 いや、局地的な需要ではなく、須賀にとっての需要だ。

「……須賀。お前はやっぱり、胸とか大きい女が好きなのか」
「や、やぶからぼうに何だよ。……まあ、そうかもしれないな」
「ふん。そうかそうか。即物的で欲望に素直なヤツだな」
「そこまで言うかよ……。つっても、そりゃ見た目が好きってだけで、本当の意味で好きとかいう話じゃないぜ?」
「……好きになった女なら、小さくてもいいってこと?」
「そういうこと。月並みだけど、見た目じゃないって」

 そういえば透華も一と対して変わらない体系をしているにもかかわらず、須賀と恋愛関係にある。
 さすがに一よりは凹凸があるとはいえ、あのラインが許容できるのであれば問題はないだろう。
 
「……国広、声に出てるから」
「う、嘘!?」
「時既に遅しってヤツだな」
「忘れてくれ……。透華のことは、その、つい思っちゃっただけなんだ」
「はは、分かってるって」

 透華をダシにしたことで、緊張感がややほぐれた。

「何ていうかさ」
「ん?」
「こうやって国広と一緒に風呂に入るなんて、何日か前には想像できなかったよ」
「そりゃ、こっちだってそうさ」
「今更だけどさ、俺、ここに来てもいいんだよな?」
「……うん。好きにしていいよ」
「はは……何をするってわけでもなく、ただ衣と遊ぶだけなのに、ここまで随分時間かかっちまったぜ」
「何だよ嫌味か?」
「いや、おかげで色々考えさせられたっていうか」
「……ふん、色々ね」

 こっちだって考えなくてもいいようなことを沢山考えさせられた。
 透華の恋愛がどうとか、将来のこととか。
 まったくもって厄介事だらけ。けれど一は、こんな今を楽しんでいた。

「俺、そろそろ上がるよ」
「ああ……ってちょっと待った!」

 忘れてた。お互い裸なのだから、風呂から上がる時は自ずと裸身をさらすことになってしまうじゃないか。

「ボクが後ろ向いてるから、さっさと出てくれ!」
「そ、そうか。まあ俺は別に見られても平気と言うか」
「ボクが気にするんだよ!」

 デリカシーもなにもあったもんじゃない。
 ややあって、須賀が浴場を後にし、一はようやく一息つくことができた。

「はぁ……緊張したなぁ」
 
 まさかこの歳になって、同じ年頃の男と混浴することになるとは思わなかった。
 いや、結婚でもすればそれはありえることかもしれないが、なにぶん一にはまだその予定はない。
 一は口元までお湯につかり、ぶくぶくと泡をたてる。
 どのくらいで須賀が着替えを終わらせるのかが分からないため、こうして時間を潰しているのだ。
 
「(いや、その前にあのびしょ濡れになった服はまだ乾いていないだろう……)」

 一は使用人用のメイド服があるので、それを着ればいいのだが……。
 心配になり、一は脱衣所のほうを覗いてみることにした。
 そろりそろりと、気配を殺しながら覗き込んだ脱衣所には、既に人の気配はなかった。
 
「着替え、どうしたんだろ?」

 どうやら着替えを済ませて出て行ったようだが、果たして何を着ていったのだろうか。
 まさかメイド服を着ていくはずもないだろうし。
 ふいにその姿を想像して笑みがこぼれる。

「っと、そんなことしてる場合じゃないか。ボクも早く着替えないと」



 着替え終わってロビーへと足を運ぶ一。
 きょろきょろと視線を動かしながら須賀を探す一であったが、一向にその姿は見当たらない。

「ったく、屋敷で迷子か? 世話が焼ける」
「だ〜れが迷子だって?」
「うわっ! い、いつの間に!?」

 驚いて振り返ると、そこには執事服に身を包んだ須賀の姿があった。
 一は思わず言葉を失った。
 先ほどまで一緒だった男とは思えないほどに、その身からは誠実で凛とした希薄が満ちていたのだ。
 
「お、お前、その服……?」
「萩善さんがコレ着ろってさ。まあ、俺の服びしょ濡れだし仕方ないだろ」

 須賀は着慣れない執事服を窮屈に感じているようで、腕を伸ばしたり、足を上げ下げしてみたりと落ち着きがない。
 それを見て一はほっと息をつく。
 一瞬、須賀が自分の知らない誰かになってしまったように思えて気が気でなかったのだ。

「はは、馬子にも衣装ってやつかな」
「お前なぁ……。まあ、俺も似合ってるとは思わねーけど」
「そんなことないさ、よく似合ってるよ。普段のズボラさが嘘みたいだ」
「最終的には褒めてないだろそれ……」

 ふと、一は外の様子が気になった。
 雨はまだ降り続いており、明日まではこの調子のようだ。

「須賀、お前……帰れる?」
「ま、何とかなるだろ。傘でも借りて、ゆっくり歩いて帰るさ」

 何てことないように言うが、外の雨はかなり激しくなっている。
 風が吹き付ければ横殴りの雨が傘の防壁を抜けてくるだろうし、視界も悪く車の接近にも気づきにくい。
 とはいえ、このまま須賀を家にとどめて置くのは……。

「よろしければ須賀さま。本日はお泊りになっては」
「は、萩善!?」

 相変わらず神出鬼没な萩善だったが、その口から飛び出した言葉のほうがもっと一を驚かせた。

「いいではありませんか。このまま雨の中返したとあっては、龍門渕の名がすたるというものです」
「と、透華に聞かないと」
「もちろん透華お嬢様には確認をとります。が、お嬢様の返答は決まっているでしょう」

 それもそうだ。
 そもそも須賀がこの家に来るのを拒んだのは一だけだ。
 ならば、須賀がこの家に泊まることに関しても、透華は首を横に振ったりはしないだろう。

「……須賀、お前はどうなんだ?」
「そりゃ、泊めてくれるならありがたいっスけど……」
「では、決まりですね。私は部屋の用意をしてまいります。お二人はその間に透華お嬢様へその旨をお伝えくださいませ」

 そう言うと萩善はスッと音もなく消えていった。

「……萩善さんて何者?」
「執事だよ。気にするな、ボクたちだって良く分かってない。それより透華の所へ行こう」
「ああ……」

 一と須賀は連れ添って透華の部屋へと向かう。
 確か今日は一日衣に付き合って遊んでいるはずだ。
 一は透華の部屋の前に立ち、扉をノックする。

「透華、透華。ちょっといい?」
「なんですの〜? よっと……」

 横にでもなっていたのか、透華の小さな掛け声が扉越しに聞こえた。
 ややあって、透華が扉を開く。

「何の用ですのはじ……須賀?」
「あ、どもっス」
「!!」

 バタン! 大きな音と共に扉が閉められた。
 途端、中からドタバタと激しい物音が響く。

「と、透華? いきなり着替え始めてどうした?」
「す、須賀が来てますのに、こんな格好じゃいられませんわよ!!」

 そういえば透華は就寝用のネグリジェを身にまとっていた。
 男の前に立つには、ある意味ではふさわしく、ある意味ではふさわしくないのだろう。
 須賀は扉から聞こえてくる声に苦笑いしてた。

「はぁ、はぁ……! お、お待たせしましたわね」
「透華……大丈夫?」
「ぜ、全然余裕ですわ! それで、何の用だったんですの?」
「実は……」

 一は事情を説明する。

「マ、マジですの?」
「うん……ダメかな」
「ととととんでもありませんわ! で、ですがその、わたくしにも心の準備と言うのがありまして」
「はぁ……?」
「部屋の片付けもしないといけませんし……。ああ、その、わたくしもう一回お風呂に入ってきたほうが……」
「勘違いしてない透華。須賀が泊まるのはあっちの客間だよ」

 透華が固まった。
 まるで瞬間冷却でカチコチに凍らされたようだった透華は、数秒後に急速解凍されるがごとく赤くなる。

「じょ、冗談ですわよ! ままま、真面目に受け取らないでくださいまし!」
「……えっと、ごめん」

 透華は一の返答も聞かずに部屋へと閉じこもってしまった。
 頭をかく一。思い込みが強すぎるのが透華の欠点だ。

「……あのさ、俺ここにいてもいいんだよな」
「いいんだと思うよ。念のため、透華の部屋には近づかないほうがいい。沸騰しちゃうから」

 先ほどの怪しげな会話は須賀ももちろん聞いていたのだが、さすがに気まずいようで、乾いた笑いを浮かべただけでその話題には再び触れることはなかった。
 二人が客間へとたどり着く頃には、萩善がすっかりとベッドメイキングを済ませており、何の不自由もない状態が整えられていた。
 一はそこで須賀と別れ、自室へと戻る。
 長かった一日がようやく終わる。
 思い返せば、まったくもって締まらない。
 結局一は須賀のことを認め、こうして家に泊めるまでに至っているのだ。

「ま、それも物事の流れってやつなのかな」

 一は深く考えるのをやめた。
 透華がどうだとか、家柄がどうだとか、そんなものは考えるだけ頭の回転を妨げるだけだ。
 今はただ、目の前に転がり込んできたことを片付けよう。
 一はゆっくりと目を閉じ、訪れる睡魔に身を任せた。
 

 

 

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